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猫にアロマは危険
こんな記事を見つけ、まだまだ浸透してないんだな、と思ったのでシェアしますね。
とてもわかりやすい記事だったので、記事がなくなってもいいように、コピペさせてもらいますが
もしも問題があればお知らせください、削除します。
(ソース元:http://news.mynavi.jp/news/2013/11/29/186/index.html)

猫がいる家でアロマをたくと命にかかわる!? 獣医師が解説

仕事で疲れた時、読書をしている時、布団でリラックスしている時になど、アロマをたいて楽しむ人も多いでしょう。でも待ってください。ご自宅に猫ちゃんはいませんか? 今回は、猫がいる家でアロマをたいてはいけない理由を解説します。

■猫がいる家でアロマをたいてはいけないって本当ですか?

猫を飼っている方でアロマテラピーが好きな人は多いです。猫がいる部屋ではアロマを炊かない方がいいのか、ネットで検索すると様々な情報が出てきて混乱してしまうかもしれません。

結論を先に言ってしまうと、猫がいる部屋ではアロマをたかない方がいいです。アロマテラピーに使われる精油を舐めた猫が死亡した例や、毎日アロマを炊いた部屋で一緒に住んでいた猫が血液検査で肝臓の値が著しく高かった例が報告されています。なぜアロマテラピーが猫の体に合わないのか、順を追って説明していきましょう。

■アロマテラピーに使われる精油とはなにか

アロマテラピーに使用される精油またはエッセンシャルオイルとは、特定の植物から抽出して製造されたものです。植物から抽出された純度100%のもののみを精油と呼び、不純物が混ざっていてはいけません。1mlの精油を製造するのにその100から1,000倍の質量の植物が必要なため、種類によっては大変貴重で高価になります。100%天然植物由来の精油ですが、特殊な製造行程により極度に濃縮されているため人間でも誤って飲み込んでしまうと危険です。

■なぜ猫には精油が危険なのか

なぜ猫には精油が危険なのか。一番の理由は、猫の肝臓の機能が犬や人間の肝臓と少し違うからです。肝臓の重要な働きのひとつに、解毒があります。肝臓は体にとって有害な物質を無害な物質に変化させています。猫の肝臓には、重要な解毒機構のひとつであるグルクロン酸抱合がないことがわかっています。そのため本来グルクロン酸抱合で分解されるべき精油の一部の成分が、解毒できず、体に溜まって悪影響を与えているのです。同様に、グルクロン酸抱合の能力が弱いとされるフェレットでも、精油の毒性がでやすいことが分かっています。

■なぜ猫はグルクロン酸抱合ができないのか?

猫が人間や犬と一番異なる点は、完全肉食動物だということです。ネコ科の動物は肉を摂食しないと生きていけない完全肉食動物です。つまり、人間のベジタリアンの方のように野菜と穀物だけでは生きていけないのです。

犬も肉が大好きですが、肉を摂食しなくても生きていけるため雑食動物に分類されます。そして、フェレットも完全肉食動物です。完全肉食動物である猫とフェレットがグルクロン酸抱合の能力が低いのは偶然ではないでしょう。野生の完全肉食動物は植物をあまり摂取しないため、肉食に合った肝機能が残り、グルクロン酸抱合など不必要な能力は退化したのだと考えられます。

■精油には植物の有機化合物が何倍にも濃縮されている

また、ユリ科植物が猫にとって危険であることは有名ですが、他にもサトイモ科、ナス科など数多くの植物が猫に対して毒性があります。全ての植物が猫にとって危険ではありませんが、私たち人間や犬と比べると危険な植物が格段に多いと認識しておいた方がいいです。

猫の中には猫草、キャベツやレタスを好む猫もいます。猫が食べても大丈夫な植物であれば少量食べてももちろん問題ありません。しかし精油には植物の有機化合物が何倍にも濃縮されているため、少量でも中毒を起こしやすいのです。そして精油の毒性の怖い所は蓄積性がある点です。数年のアロマテラピーの影響が、ある日突然症状として現れる可能性があります。

■猫に安全なアロマはないのか?

ここまで精油の危険性について強く書きましたが、精油の中には比較的毒性の少ない精油もあります。また、精油の製造過程の副産物である芳香蒸留水(ハイドロゾル)であれば、猫に使用しても安全であるという意見もあります。

しかし、まだまだ精油を長期的に猫に使用した研究やデータが少なく、理論的に問題が無いと言われている精油でも今後猫に対する毒性が出てくる可能性があります。例えば、ユリ科植物が猫に致死的な腎不全を起こす原因が詳しくわかっていないように、まだまだ猫と植物毒性に関して科学的に解明できていないことが多いです。よって、現段階ではハイドロゾルのアロマをたくことも避けたほうが良いと言うことができます。

また、既にアロマテラピーが生活の一部になっている方もいます。どうしてもアロマが欠かせないという方は、猫がアロマを誤って舐めないように厳重に管理する、アロマの頻度を減らす、猫がいる部屋では炊かない、よく換気をするなど、猫が摂取する可能性を限りなくゼロに近づける必要があります。

精油の中にも特に毒性が強いものがあります。これらの種類の精油は避けましょう。また定期的に健康診断を受け、その際には家でアロマをたくことがあることを申告し、肝毒性などの副作用が出ていないかチェックしましょう。

■専門家ではない方が猫のアロマテラピーを実践するのは危険

アニマルアロマテラピーに関心がある飼い主さんから、愛猫のストレス軽減や、皮膚病に対してアロマテラピーを試してみたいと相談されることがあります。アロマテラピーで自分の症状が改善した経験がある飼い主さんが、「アロマの効能を猫ちゃんにも!」と思う気持ちは良くわかります。猫でもハイドロゾルを用いたアロマテラピーがあります。

しかし上記の理由から、専門家ではない方が猫のアロマテラピーを実践するのは非常に危険です。もし興味があるというのであれば、まずアニマルアロマテラピーに精通した獣医師に相談して下さい。猫のアロマテラピーのメリット、デメリットそして起こりうる副作用について認識しすることが大切です。

■最後に

今回の話は、人間用または犬用医薬品、漢方薬、サプリメントについても同様のことが言えます。人間や犬には安全に使えても、猫では強い副作用が出ることが、多くの薬で報告されています。

人間や犬とは肝臓の解毒機能が違うということをしっかり頭に置いておく必要があります。猫ちゃんのためにと思ってやったことが、皮肉にも猫の健康を害してしまうような悲しいことにならないように、何か猫に投与する時は飼い主さんだけで判断せず必ず獣医師に相談しましょう。

■著者プロフィール
山本宗伸
職業は獣医師。猫の病院「Syu Syu CAT Clinic」で副院長として診療にあたっています。医学的な部分はもちろん、それ以外の猫に関する疑問にもわかりやすくお答えします。猫にまつわる身近な謎を掘り下げる猫ブログ「nekopedia」も時々更新。
by Ganbaruneko | 2013-11-29 21:37 | 【猫に関するetc】
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